こどもの森みどりの少年少女隊の隊員が約40名集まり、森と木の体験活動を行いました!
今回も朝早くから大勢の隊員が参加してくれました。
※今回の活動は、株式会社ZOZO様からの寄付金による緑の募金を活用させて頂いています。
まずは甲府市北新地区育成推進協議会の山下会長のご挨拶。当隊は隊員たちが通う学校がある地域の育成会で運営しています。
続いて、甲府市役所 公園緑地課長さまのご挨拶。今年度から新たに、甲府市が管理している湯村山の一角を、学校林としてお借りしたいとお願いしたところ、地元の活動ならばと快く承諾いただきました。今回これを記念して、課長さまにご挨拶と記念植樹にご参加頂くこととなりました。休日にもかかわらず、ご足労頂きまして、ありがとうございました。
本日お願いした講師の方々をご紹介します。
講師一人目。地拵えや植栽の指導を行って頂きました、白川造林の白川さんになります。
特に、重機の操作が神業です。新たに活動するエリアの伐採した木枝をグラップルという重機で片付けて頂きました。
林業を行う上での大切な作業の一つになります。
これを丁寧に行うと、植栽する作業や伐採木の活用がスムーズになります。
続いて、公益財団法人キープ協会(トップページ | KEEP協会 – 山梨県立八ヶ岳自然ふれあいセンター – 北杜市 山梨県)の坂川さんと山下さん。主に隊員たちに森遊びを教えて頂きました。
森遊びを楽しむということは、とても大切なことだと思います。
その他にも、今日の活動の作業を全般的にお手伝いを頂きました。本当に感謝です。ありがとうございました。
また、諏訪流放鷹術保存会の方々に鷹を操る様子をご紹介いただきました。森林生態系の頂点に立つ猛禽類を学ぶことは、とても大切なことだと考えています。いつも、貴重な体験をさせて頂いています。ありがとうございました。
当隊では作業に入る前に、森や木の良いところを教えたり、隊員にとって身近な自然である湯村山を、里山として再生させることが、SDGsに貢献することを、隊員たちに説明しています。
私たちは間伐や植栽などを行い、荒廃している森をきれいな里山に再生するために活動しています。
前述のとおり、今年から新たに甲府市で管理している湯村山の一角をお借りして、地域の課題を改善するために荒廃した里山を整備することにしたのですが、その地域の課題は主に2つあります。
一つ目は、ケモノ被害です。
湯村山は戦国時代に武田信虎が湯村山城を築城するなど、昔から里山として利用されてきた山になります。
しかし、近年は利用されずに荒廃し、ケモノが住み着くようになってしまいました。
荒廃した里山と住宅街の境に、既存の壊れた柵があるのですが、ケモノ道と思われる箇所があったため、ここにトレイルカメラを設置して観察したところ、昼夜問わず、多数のシカやイノシシが出入りしていることが確認されました。
このケモノ道を通り、住宅街に出没していることが想定されます。
地元の自治会の方々は、獣に庭を荒らされてとても困っているとのことでした。
そのカメラで撮影した映像をご覧ください。
昼夜問わず、多数のケモノが住宅街に向かって出入りしていることが分りました。
二つ目は、ナラ枯れです。
湯村山の森の主な樹種はコナラとなっています。
そこに、全国的に流行っているナラ枯れの被害が、いよいよ、ここ山梨県甲府市湯村山にも到来してきました。
このままでは、数年のうちに湯村山の多くの木が枯れて、ますます荒廃した里山となってしまうことが予想されます。
下の写真は、紅葉の時期の前に撮影した湯村山の写真です。
紅葉したかのように赤く色づいているところが、多数確認されます。
これが、ナラ枯れしている箇所になります。既に多数のナラが被害を受けているのがわかります。
既に湯村山付近でカシノナガキクイムシ(※写真は林野庁HPより参照)が大発生していると思われます。
以上のことから、私たちこどもの森みどりの少年少女隊は、荒廃した里山を整備することで、地域課題に取り組むよう活動することにしました。
具体的には、
①ケモノの生息域と住宅街の間の荒廃した里山をきれいにすることで緩衝帯を造り、ケモノが住宅街に近づき難くさせて、人間とケモノが共生できるような地域社会をめざす。
②ナラ枯れ被害で里山が荒廃する前に、コナラを間伐して、別の樹種に転換していく。
を目標に活動します。
事前に、新たに借用した甲府市の湯村山の一角、約1,400平米のコナラを間伐・地拵え・獣害防止柵設置しておきました。
本日の活動では、この箇所を隊員のみんなでカツラの苗木を植栽します。
まずは、研修室から植栽場所までカツラの苗木を運びます。
続いて、植栽する方法を白川さんから教えて頂きます。
その後、3人一組でクワで植栽穴を掘り、苗木を植えます。
クワで穴を掘るのは慣れていませんので、大変な作業になります。
それでも、一生懸命掘ってなんとかポットが埋まるくらいの深さまで掘ることができました。
掘った穴に、ポット苗を収めて、土を埋め戻します。
この時に落ち葉を一緒に入れないようにと、講師の白川さんから教わりましたので、みんなきちんと気を付けて作業しました。
その後、足で踏み固めます。
作業終了後、みんなで集合写真。
続いて、8年前から継続的に活動している、湯村山内の別の一角に位置する学校林に移動して、再び植栽を行いました。
こちらは、クリ、ウワズミザクラ、ヤマナシ、ヤマボウシを一人一本植栽します。
植栽木はチューブ式の獣害防止資材で保護します。
植えた木に間伐材で作った樹名板を取り付けました。
ここまでが午前中の作業となりました。
お昼ご飯を食べた後、午後からは、広場に移動して、諏訪流用法術保存会の講師の方々から猛禽類のことについて学びます。
猛禽類と触れ合う機会はなかなかありませんので、貴重な経験となりました。
続いては、研修室に移動して、間伐材などを利用した木工を行いました。
事前に間伐した間伐材を、製材所に持ち込み、板にしてもらいました。
この板を使って、椅子を造ります。
また、山梨県産の広葉樹で作ったフォーク、スプーン、皿をヤスリがけ、オイル塗布作業を行いました。
続いて、緑ヶ丘スポーツ公園を花苗を飾って、きれいにしよう!ということで、プランターに花苗を植えて、公園に寄付しました。
昆虫の学習のため、カブトムシの幼虫を事前に卵から幼虫にふ化させたものを、希望者に配布して、各家庭で育てる活動も行っています。
また、学校林の間伐材にシイタケ菌を打ち込み、ホダ木として活用したものを隊員に配布しています。
このように活用することもできます。
そして、お楽しみのビンゴ大会!
最後に集合写真。
活動後にアンケートを書いてもらい、感想を聞いたところ、朝早くから暗くなるまで長い時間活動したにもかかわらず、多くの隊員が「とても楽しかった」という回答をもらいました。
準備が大変でしたが、この感想をもらったので、次回の活動のはげみになります。
当日は、講師の方々、保護者の方々には準備から片付けまで大変お世話になりました。ありがとうございます。
みなさん、おつかれさまでした。